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また、これらは来島海峡という与えられた交通環境、自然環境(地形および潮流)を前
提とした評価である。
したがって、これらの評価指標を総合化する際には、単に加算したり、合成するのではなく、図?−7−2に示すように各指標があらかじめ定めた一定の閾値を下回らないことが必要条件である。ここで言うあらかじめ決める一定の閾値は現行の航行状況における評価指標を採るのも一法である。
これらの評価指標を組み合わせて与えられた航行条件下における操船モードごとに評価することができる。図?−7−2に示すように、避航操船では主として交通と操船の評価項目が関係し、コースライン操船(あらかじめ決めたコースライン上を航行する操船を略称する)におけるマニュアル操船は操船および操縦の評価項目、これをオートパイロットで航行する時には操縦と測位の評価項目が主として関係すると考えられる。また、交通環境と測位精度にはそれぞれ不確定さが大きいので、これらは航行海域における情報量としてそれぞれの操船モードに影響を与える。
これらの総合化した評価は来島海峡の入り口から出口まで全海域について評価することが必要である。そして、最終的に、自然環境の評価指標と交通環境の評価指標のいずれも閾値を越える(現状を改善できる)航行安全対策案の中から、最良の航行安全対策を選択することになる。

 

 

 

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